平成28年6月11日(土)に、馬術苑中島トニアシュタールで初級障害馬術講習会を開催しました。
例年初級者向けには馬場馬術の講習会を実施していましたが、今年は初の企画である障害の講習会を行い、参加者は8名(日本IBM馬術部1名、日立国際電気馬術部1名、富士通馬術部1名、警視庁乗馬同好会3名、ソニー馬術部1名、東京都庁体育会乗馬部1名)でした。講師は、丁寧でわかりやすい指導に定評のある、八ツ田インストラクターにお願いしました。
講習会の内容は以下の通りです。
1.障害実技講習1鞍目
最初は基本の姿勢、フラットワーク、横木通過、キャバレッティ通過、クロス障害、単一障害(60センチ程度)の練習を行いました。ここで八ツ田インストラクターから指導があったのは「アプローチから障害に向けるまでが人間がやること、障害に向けたら馬があとは自分で調整して飛んでくれるので邪魔はしない。」ということです。馬が飛びやすいペースとリズムを人間が作り、あとは障害に真っ直ぐに向けてあげることが大切です。
今回使用した馬はテラザウィウィン、セブンスアンコール、ドウデス、ヒロツグでした。みんな安心して乗れる馬で、初心者の障害練習にはとても適した馬配をしてもらいました。
2.ビデオによる振り返り
障害実技講習1鞍目はビデオ撮影をしたので、昼食の後みんなでビデオを見て1鞍目の練習の振り返りをしました。自分がどういう姿勢で、どのようなペース・リズムで乗っているかを確認して、問題点や課題について話し合いました。思っているほど前に出ていなかったり、障害に真っ直ぐに向けられていなかったり、駈歩発進で正しい手前が出なかったり、と参加者それぞれが課題を確認しました。障害練習の様子をビデオで見る機会は少ないので、とても参考になりました。
3.座学講習
座学は以下の内容で1時間かけて、写真や絵を交えた資料を使い詳しく説明してもらいました。
(1)運動する上での5つの基本要素
(2)障害における姿勢
(3)準備運動
(4)障害における3つの重大要素
(5)障害への誘導
(6)キャバレッティ
(7)単一障害
(8)連続障害
(9)ダブル(トリプル障害)
(10)競技の基本ルール
このような内容をしっかり学んでおくと、この後の練習での説明の理解に役立ちます。
4.障害実技講習2鞍目
2鞍目はより実践的な練習です。比較的経験豊富な参加者の班は18メートルの連続障害を5間歩と4間歩で飛ぶ練習を行いました。最初は障害間に横木を5本おいて常歩、速歩、駈歩で通過します。次に横木を手前から1本ずつ減らしてゆき、5歩で飛ぶペースを覚えます。障害間を5歩で飛ぶことができるようになったら今度は4歩で飛ぶ練習をします。4歩で飛ぶにはペースを上げて障害に向かってこないと届かないので、この練習はちょっと難しい内容なのですが、参加者の皆さんは意欲的に取り組んでいました。
経験の少ない参加者の班は、最初の誘導と、ペースを意識した連続障害の練習です。真っ直ぐに障害に向かえるように、横木を2本置いて、その間を通って障害に向かいます。障害に向かったらツーポイントで馬の飛越についていく練習です。こちらは基本的な内容でしたが、障害を飛ぶのに大切なことを一つ一つ確認しながら練習ができました。
障害実技講習2鞍目の様子は写真を撮影し、各自で騎乗姿勢を確認しました。
実技講習2鞍と座学という構成で、内容の濃い充実した講習会になりました。ホームグラウンドの馬場ではなかなか障害練習ができない人や、しっかりと指導を受けてみたいという人にはとてもよい内容だったかと思います。
今回、参加者に合わせた練習を実施していただきました八ツ田インストラクターをはじめ、初級者の障害練習に適した安全な馬を提供していただきました中島トニアシュタールの皆様方に感謝申し上げます。
参加者のアンケートでは、「とても勉強になった」、「また参加したい」、「今度は一泊二日で開催してほしい」といった意見をいただきました。普及委員会では皆さんのご意見を参考に、また魅力的な企画を考えていきたいと思います。
(普及委員会 担当)